先日、とある小学生の授業をしていました。
国語の授業をしていたのですが、面白いというかあきれた現象があったのです。
国語の物語の中でとある描写が何を表しているのかを生徒に確認したんです。
その描写というのが、「○○は鼻をすすって・・・」というものです。
物語文ですから、この描写はそのまんまの意味ではありません。
ちゃんとした心情表現なんですよね。
その描写が何を言っているかがわからないと問題が解けなかったので、私は生徒に確認をしたんです。
すると、生徒は「えっ、寒かったんでしょ?」と言ってきたのです。
同時に授業をしていた中学生がそれを聞いて吹き出していましたが、その小学生がいかに的外れなことを言っているかがわかります。
私も笑ってしまったのですが、実はこの現象、他の小学生でも同じことが起こっていたのです。
別の小学生も同じ言葉を同じようにとらえていたのです。
もちろん、この子たちは国語が苦手な生徒です。
学校の授業もろくに聞いていないのでしょう。
国語の読解は文を読む力がなければ、問題が解けないわけですから、この現象はかなり深刻な問題なのです。
とはいえ、この子たちが特殊なわけではありません。
多くの小中学生が文を正確に読み解くことができていないのです。
これは圧倒的な文章を読む経験がないことが由来します。
活字に触れることが極端に少ない状況が続けばこうなってしまうのです。
そして、同時に家での学習のさせ方が間違っていることでもあります。
文章題を子どもに解かせているのか、そしてわからない言葉をどう調べるかを教えているのか、これらは学校でも教わりますが、家で徹底しないとできるようにはなりません。
読書が好きな子は勝手にこういう技術を身につけますけどね。
読書が嫌いな子は、ある程度は強制力をもって語彙力を鍛えないといけないのです。
家での学習が少ないとこういう状況が起こり続けます。
母国語である国語ができないというのは、他の教科もできなくなることを示唆しているのです。
我が子がスマホやタブレットばかりを見てはいませんか?
別に電子書籍でも構いませんので、活字を読ませた方がいいですよ。
ちなみに、漫画から入っても大丈夫です。
とはいえ、いまやその漫画の読み方も知らない子が多いですよね。
勉強ができない子というのは国語ができない子ともいえます。
その状況で慌てて塾に入れても成績は上がらないと思いますよ。
まぁ、国語の授業をとればいいのでしょうが、中学生で国語の授業を実施している塾も少ないですからね。
塾に入れる前に語彙力を鍛えることを徹底してください。
最低限の知識がなければ、学校の授業だって何を言っているかが分からなくなりますよ。
私たち教師が学習内容を伝える手段が日本語である以上、その言葉が何を言っているのかを理解させるのは大事なことですからね。
それでは、今日はこの辺で。