塾講師になり立ての頃は、高校受験なんて1年みっちり教えればすぐになんとかなると思っていました。
しかし、数年塾講師をやっていると、それが無理なんだってことが分かったのです。
3年目のときでしょうか。
最初の塾から別の塾に転職した1年目のことです。
2年間は塾講師としての経験を積んでいたので、指導においては困ることはなかったです。
とはいえ、私が最初に指導したのは個別指導塾でした。
次の塾は集団授業塾だったので、授業の仕方が全く別物だったんですよね。
黒板で全体に説明するってことがいかに大変なことか分かっていなかったんです。
それでも、熱心に指導したおかげで、教え子のほとんどが成績を上げ、無事に第一志望に合格させることができました。
しかし、一人だけどう頑張っても成績が伸びない子がいたのです。
その子が進学先に選んだのは進学校でした。
しかし、全くといっていいほど、成績が足りなかったんです。
その進学校は当時吹奏楽部が強く、その子もそこに入りたかったんでしょうね。
それなりに努力はしたのだとは思いますが、それでも成績が足りないのですから、合格できるわけもなく、その子は滑り止めの高校に進学していったのです。
この頃まで、自分が熱心に指導さえすれば、なんとかなると思っていました。
しかし、どれだけ手を尽くしてもその子の成績を上げることは叶わなかったのです。
その後も、数人ですが成績を上げられずに、志望校に入れることができなかった子がいます。
ほとんどの子が志望校に合格していきますが、やはり不合格になった子の方が記憶に残るんですよね。
塾講師としては負けってことですからね。
全員志望校に合格させてナンボの世界ですから、1敗でも負けは負けなんですよね。
ただ、私たち塾がどう頑張っても成績が上がらないって子はいるんです。
そして、それは今までの勉強の経験値が極端に少ない子なんです。
小学校のときに、計算ドリル・漢字ドリルなどを毎日きちんとやっていれば、最低限の勉強量は確保できたことになります。
逆に、そうでなかった場合は、後でどれだけ頑張ったとしても、成績が上がることはないでしょう。
人の能力って、一朝一夕で伸びるものではないんです。
コツコツ積み重ねたことによって、初めて伸びていくものなんですよね。
私はここまで塾講師をやっていて、成績が上がらない子の多くが勉強の経験自体がないことに気づきました。
どれだけやる気があっても、今までの積み重ねがない子の成績は上げられないのです。
毎日の積み重ねっていうのは、小学校時代だけでもかなりの量になるのです。
それがない状態ですと、中学・高校からの成績の伸びはないでしょうね。
私が塾講師になるきっかけは妹を指導していたからなんですが、その妹もそれなりに勉強はしていましたからね。
勉強した経験がある子に教えるのは、そこまで大変なことではないんですよ。
だからこそ、私が指導すればどんな子も成績を伸ばせると勘違いしていたんでしょうね。
覚えておいていただきたいのは、成績を上げることにおいて、一番大事なことは勉強の積み重ねなんです。
やる気だったり、勉強方法だったりっていうのは、二の次なんですよ。
もし、小学生のときに勉強の積み重ねがないのであれば、今からでも構いませんので、毎日コツコツやっていくしかありません。
それでも、時間が許す限りしか成長はできないでしょう。
受験までに間に合えば良いですが、間に合わなければ夢を諦めないといけません。
毎日コツコツ勉強するのはマストですからね。
それができなければ成績が上がることはないんです。
少しずつで構わないので、頭を良くする行動をしてくださいね。
それでは、今日はこの辺で。