あまりかみ砕かずに説明するようになりました。

今まではなるべく生徒が理解できそうにない言葉は使わないように心がけていました。

なるべくかみ砕いた言葉で説明するように心がけていたのです。

 

そもそも塾に来る子は、理解力が乏しい子です。

だからこそ、教科書の言葉を極力使わないようにしていたのです。

 

これによって、生徒たちは言葉の意味を理解することはできるようになりました。

授業内容も理解できるようになり、テストでも点数がとれるようになったのです。

 

しかし、この子たちは塾がなければ理解ができない子になってしまいました。

 

高校に入ると、塾の影響力は極端に少なくなります。

なぜなら、塾の授業だけでは高校の授業をまかなうことができないからです。

 

結局は自分で努力ができなければ、成績が伸びなくなっていくのです。

そのときに頼りになるのは教科書であり、参考書です。

しかし、教科書も参考書も生徒にとっては難しい言葉をそのまま使っています。

 

つまり、生徒が言葉の意味を理解できなければ、自分の力で理解ができないのです。

こうして、生徒たちは高校の授業についていけなくなり、自ら復習しようともそれがかなわなくなったのです。

 

このとき、私がそばにいてかみ砕いて説明することは、いかに生徒のためにならないかを思い知りました。

用語の説明をかみ砕いて説明すると言うことは、生徒の自学の力を奪っていたことになったのです。

 

そこで私は自塾を開いてから指導で使う言葉をそのまま使うことにしました。

しかし、何度も説明することにしたのです。

 

人は聞き慣れた言葉には抵抗はなくなるものです。

何度も聞いていれば、耳にタコの状態にすることができます。

そうすれば、難しく聞こえるような言葉も理解ができるようになるのです。

 

例えば、英語の説明ですが、am、is、areはまとめてbe動詞ということを小学生にも平気で教えます。

もちろん最初からbe動詞と紹介するのではなく、時期を見て紹介するのですが、それでも何度もbe動詞という言葉を投げかけます。

 

be動詞という言葉は生徒にとってはハードルの高い言葉です。

そもそも動詞って何?ってなりますし、beってなんだよ?って思うことでしょう。

しかし、それを1年使い続ければどうでしょう。

 

be動詞の原形はbeであることも、後に習うことになり、今までモヤモヤしていたものが、どんどん解消されていくのです。

学ぶということは、すなはち、こういうことであり、そこに楽しさがあるのです。

 

しかも、be動詞という言葉はどんな参考書にも書かれていますし、教科書にも必ず載っています。

言葉の意味をしっかりと理解していれば、その言葉を見てもつまづくことなく理解できるのです。

 

これは英語に限ってのことではありません。

他の教科でも用語はそのまま指導することが大事なのです。

ゆくゆくは自分の力で勉強しなきゃいけないことを想定すれば、それが正しい指導法なんだと思います。

 

目の前で苦しんでいる生徒を助けるのは容易です。

とにかく生徒がわかるようにかみ砕いて説明してあげればいいのですから。

しかし、それではいつか歩みが止まります。

 

大事なことを先を見据えて指導することだと思います。

もちろん即効性はありませんので、すぐに成績を上げたい人にはうちの指導方法は合わないでしょう。

そういう人は、別の塾に行ってもらった方がいいと思いますけどね。

 

勉強を自らの力でやれるようになるためには、それなりの試練を乗り越える必要はあります。

なんでもかんでも生徒のために動いてくれるというのは、その塾に依存させているだけです。

 

まぁ、本来、塾というのは、生徒に依存させようと動くのが当たり前なんですけどね。

うちはそういう指導は辞めたってことですよ。

自らの力で勉強ができるような子にするためにも、適切な指導方法を今後も採用していきたいと思います。

 

 

それでは、今日はこの辺で。