行動には理由があり、その理由を理解しないと力にはならない。

先日、とある小学生の指導をしていました。

その子の宿題ノートをチェックしてみると、丸付けをしていなかったんです。

同じことを繰り返し注意しているのですが、なかなか丸付けができない子なんです。

 

今回の問題はそこではありません。

私はそれを見て「今から丸付けを自分でしなさい!」と指示しました。

問題を解いたら丸付けをする・・・これは当たり前の行動なのです。

 

その子はすぐさま答えを出し、丸付けを開始しました。

「こりゃ数分かかるな」と思ったので、その子は放置して違う子の授業をしに行きました。

そして、数分たって丸付けの進捗状況を確認しに行くと、先ほどの子は驚く行動をとっていたのです。

 

何が驚いたことだと思います?

ちなみに、その子は真面目に丸付けをしていました。

そして、当たっている問題に〇をつけて、間違っている問題に✓をつけて、✓をつけたところには赤鉛筆で答えを写してとやっていたのです。

 

ここまで聞くと、問題がなさそうに聞こえますよね?

丸付けの仕方としても正しく見えるかもしれません。

しかし、この子は致命的な間違いをしていたんです。

 

それは、問題集を開いていなかったことです。

この子はノートと解答だけを見て丸付けをしていたのです。

 

なぜ、これが致命的な間違いなのかはわかりますね??

本来、答え合わせというのは、自分ができない問題は何なのかを調べるためにあるのです。

 

問題を見ながら、解答と自分の答えを見比べて、どう考えなきゃいけなかったのかを確認しないといけないのです。

それなのに、ノートと自分の書いた答えだけを見ていては、わかるわけもないのです。

 

間違った勉強法をしている子の多くが、なぜそうしなきゃいけないのかを考えていません。

素直に言うことを聞いてはいるので、一見いいことをしているようですが、何のためにそれをやっているのかが分からずに行動しているのは残念なことなのです。

 

これは幼少期に親が子どもに考えさせることをしなかったからだと思われます。

ただ、指示するにしても、「なんでこれをしなきゃいけないか分かる?」とか「何のためにこれをやっているの?」とかを子どもに聞いてこなかったんです。

 

子どもも聞かれなければ考えることはありません。

子どもの心理は単純で「やれっていわれたからやっている」というスタンスで行動しているのです。

 

そこに深い考えはありません。

言われたことをただやっているだけですから、子どもも楽なんでしょうね。

 

しかし、これでは間違っている指示も素直に聞いてしまうことになります。

極端なことをいうと、友達に犯罪まがいのことを指示されたとしても、その指示を聞いてしまうかもしれないのです。

 

もしかすると、何も考えないというのはとても危険な状態なんですよ。

おおげさかもしれませんが、指示待ち人間のほとんどがそういう状況に陥っていると思います。

 

勉強ができるようになるためには、成績が上がるために何をすればいいのかを考え続けることが大事なのです。

それによって、自分の行動に創意工夫が加わり、いろいろなやり方が生まれていくのです。

 

本来、自分に合った勉強方法というのは、試行錯誤をしながら見つけていくものです。

なぜ勉強するのか?それを理解できていなければ、成績は上がりませんよ。

 

とても大事なのは、心構えを質すことです。

それができないと、いくら勉強しても成績が上がらないということになりますよ。

 

 

それでは、今日はこの辺で。