基本的にうちの塾に来る子は成績をあげます。
単純に勉強時間が増えるので、それだけでたいていの子は点数を上げてきます。
中には入って3ヶ月で成果を出す子もいました。
最初の定期テストで100点もの点を上げたんです。
その後も、その子は大崩れすることなく、テスト毎に点をとっていきました。
しかし、その子は高校受験で失敗します。
成果をあげて、点数を大幅に上げたにも関わらず、肝心の高校受験は失敗してしまったんです。
ちなみに、この高校はことさら偏差値の高い高校ではありません。
では、なぜそうなってしまったのか?
それは、この子が成績を上げたのが遅かったからです。
中2末くらいに入塾した子だったんですが、それまではまぁ絵に描いたような不真面目な生徒でした。
勉強などほとんどやったことがないような生徒だったんです。
しかし、うちの塾に入ってからは人が変わったように努力するようになりました。
根は真面目な子だったので、塾で教わった勉強のやり方が性に合っていたんでしょう。
入塾後、なんとか塾のやり方についてきたその子は少しずつ点数を上げていったんです。
そして、最初の定期テストで100点もの点数を上げ、あげくには5教科合計400点をこえることも達成しました。
ただ、これは入塾後の中3の内容に関してだったんです。
目の前の勉強は塾の授業でわかるようになったんですが、今までの勉強不足が響いてしまい入試の問題は解けなかったんです。
高校入試の問題は中学の3年間から出題されます。
いくら3年生の内容が理解できたからといって、それでは単純に3分の1しか分かっていないことになるんです。
しかも、数学や英語などは、今までの蓄積がものを言う教科です。
積み重ねがない子が入試問題に対応できるわけもないんです。
かくして、この子は高校受験で失敗します。
過去問の演習でも合格点はとることができず、それでもその高校に行きたいからと受験をしたんです。
その子にとっては、不合格になる可能性が高かった挑戦だったんです。
私はそこから高校受験は付け焼き刃でどうなるものでもないことを悟りました。
今までの積み重ねがない子は一発逆転ができないんです。
とはいえ、この子は極端に勉強してこなかった子ですからね。
それなりに塾に通い、それなりに定期テスト毎に勉強してきているなら、この子と同じようなことは起こらないでしょう。
ただ、今まで勉強という勉強をしてこなかった子が短期間で逆転するのは非常に難しいんです。
中1・2の時期に遊ばせるだけ遊ばせたなら、行ける高校は限られてしまうことを知っておいてください。
私は今後そういう子を出さないために指導するようにしていますし、安易に実力以上の高校を勧めることもしません。
なぜなら、その高校に行くだけの学力がない子がその高校に行ったとて、高校の勉強についていけるわけがないんですから。
勉強をしないことは不幸にしかなりません。
勉強できる環境が整っているのであれば、しっかりと勉強をさせましょう。
後悔しないように、勉強だけはやらせていきましょうね。
それでは、今日はこの辺で。