高校生が数学につまづくわけとは。

高校生に数学を指導していると、私は生徒がつまづくポイントが分かっているので、そこを説明すると生徒の「そういうことか」という顔に出くわします。

 

これって、学校の先生も同じように指導しているはずなんです。

まぁ、極端に教えるのが下手な先生もいますが、基本的には大事なポイントをしぼって教えているハズなんです。

 

しかし、生徒が理解できないことが多いんです。

自ら教科書を読んで理解できる子ならいざ知らず、ほとんどの子は先生の説明がないと分からないんです。

 

では、なぜそうなるのか?

それは、学校の先生は教科書通りに指導するからなんです。

 

高校の教科書は数学の用語はすべて難しい表現で書かれています。

小学校の頃から算数が得意で、中学校でも数学が得意で、進んできた子ならその用語を聞いても何を言っているかが分かるでしょう。

 

しかし、ほとんどの子はそうではありません。

算数・数学の用語など、一度聞いたくらいで、その中身まではしっかりと覚えていないんです。

 

例えば、中2の頃に習う一次関数に関してです。

中学校では一次関数・直線の式はy=ax+bと習います。

 

しかし、高校ではそれをy=mx+nとなります。

式の形は変わらないものの、扱う文字は変わってしまうんです。

 

そして、中学校では「xの変域」と習っていたものが、高校では「定義域」となります。

同様に「yの変域」は「値域」と名前が変わるんです。

さらに、中学では「傾き」、「変化の割合」と習っていたものが、高校では「平均変化率」と名前を変えます。

 

これは一例ですが、一つの分野だけでここまで言葉が変わるんです。

それを高校の先生は、前になんと言っていたかを説明せずに、新しい言葉で説明してしまうんです。

 

生徒側から見ると、その言葉は初見なわけですから、何か新しいことを習ったと勘違いしてしまうんです。

残念ながら数学が苦手な子というのは、こういう状態になってしまうんです。

だからこそ、高校数学を難しいと感じてしまうんでしょう。

 

私のように小学生から高校生まで指導している存在というのは稀ですからね。

塾講師でも、高校生を指導している人は少ないですからね。

ただ、一貫して指導をしていると、その学年ごとにつまづくポイントというのが出てくるわけです。

 

私は数学のできない高校生には、小学生や中学生の知識を指導するようにしています。

さすがに高校生が、小学生や中学生の指導方法で指導されてわからないということはないでしょうから、その指導方法でたいていの子は理解できるわけです。

 

そのように下のカテゴリーの指導方法で指導することで、今勉強していることが大したことがないと伝えていくのです。

もちろん高校の内容ですから、そこまで簡単な内容ではありませんが、それでも難しいと思わないようにするだけでも、その子の数学嫌いはなくなっていきます。

 

どんなことでもそうですが、今習っている内容が難しいと感じてはいけないのです。

一旦、難しいと感じてしまうと、理解できるものも理解できなくなりますから。

 

結局、先生の技量はそこに集約されるんでしょうね。

レベルの高い授業をしている人はそういうポイントを意識して指導しているんですよ。

だから、指導されるだけで、勉強が楽しくなってくるんでしょうね。

 

私もまだまだ発展途上ですが、生徒が少しでも苦手意識を持たないように指導していきたいと思っています。

もっと指導力を身につけて、目の前の生徒をしっかりと指導していきたいですね。

 

 

それでは、今日はこの辺で。