すでに年季が入った教科書になっている。

とある高1生の授業中、学校の教科書で授業を行いました。

今は定期テスト前ということで、解けなかった問題や分からなかった問題を解説していきました。

 

その子はすでに教科書の問題はすべて解ききっているので、授業前には何問か分からない問題が存在していました。

それらの問題を1つずつ丁寧に解説してあげたんですよね。

 

テスト勉強は分からない問題をなくしてから臨むべきです。

そういう意味では、この生徒は正しい勉強をしているわけですね。

 

ところで、この生徒の教科書を見てみると、もうすでに使用感マックスの状態になっています。

まだ、入学して2ヶ月経っていないのに、数年は使っているような年季が入った教科書になっているのです。

 

これが意味するところは、この子がいかに勉強しているかということです。

教科書がボロボロになるまで使っている子は、しっかりと勉強しているということになるのです。

 

逆にずっと教科書がきれいなままな生徒は、ほとんど勉強していないことがわかります。

当たり前のことですが、教科書がボロボロになるまで勉強している子が受験では勝つようにできています。

この生徒は高1にしてすでに大学への受験勉強を開始しているのです。

 

とはいえ、ここまで教科書を確認するということは、それだけ苦戦しているということにもなります。

そもそもこの生徒は数学が得意ではありません。

努力はするのですが、どうしてもやり方だけを暗記してしまうクセがあるのです。

 

数学は「点」の教科ではなく、「線」の教科です。

1つ1つの解法を覚えることは非常に大事なことなんですが、それでは「点」で勉強しているに過ぎません。

これでは、膨大な「点」を覚えていくことになり、その暗記量で頭が疲れてしまうことでしょう。

 

正しいのはこの「点」を結んでいって、「線」を形成することなのです。

「線」というのはつながりです。

以前勉強してきたことがその先につながる意識がないといけないのです。

 

そのために、数学はどうやって解くのか?ではなく、なぜそうなるのか?の方が大事なのです。

数学が苦手な生徒というのは、解法を覚えがちです。

しかし、それでは数学はできるようにならないでしょう。

 

「点」をつないで「線」にするというのは、なかなか自分ではできないものです。

その役割は塾が行うべきなんだと思います。

学校の授業だけで「線」にできないのなら、塾が補佐していくしかないですね。

 

とはいえ、最終的に自らが数学の知識を「線」に変えていかないとテストの点数は上がってこないでしょう。

今はあがくだけあがいてもらって、なるべく早く数学の苦手意識をなくしてもらいたいですね。

 

 

それでは、今日はこの辺で。