なぜ先を見越して行動できる子どもがいるのか・・・

先を見通して行動できる人間は、損をしません。

すべてを前もって準備することはできませんが、それでも準備をしているのとしていないのとでは、雲泥の差がでます。

 

ただ、子ども自身が先を見通すようになるのは、とても難しいことです。

なぜなら、子どもは先を見通す必要性がわからないからです。

 

例えば、仕事であれば、予定通りに仕事をしていくことが大事になります。

締め切りが与えられたり、納期が決まっていたり、行事予定としてする時期が定められていたり・・・

突発的な仕事以外は、前もってスケジューリングがされており、その予定に合わせて行動しようとするのです。

 

その期限を守らなければ、上司から叱られ、クライアントの信用はなくなり、社会人としての地位は確実に低下していくでしょう。

それは直接賃金に関わってくるので、生活をおびやかしていくことになります。

まさに自業自得です。

 

しかし、子どもはそんなリスクはありませんので、スケジュールを見ながら行動することはありません。

なぜなら、学校の先生や部活の顧問、そして我々のような塾講師などが前もって予定をアナウンスしてくれるからです。

 

例えば、体育祭の時期が近づけば、勝手に体育祭の練習が始まります。

先生が朝の会や帰りの会に、体育祭の練習が始まることをアナウンスしますし、学級のお知らせやクラスの黒板などに体育祭が近づいていることが知らされます。

 

体育祭実行委員の人からもアナウンスされ、学級会なども体育祭の演目を話し合ったりします。

学校全体が体育祭の雰囲気になっていくので、子どもはそれを感じて行動し始めるのです。

 

ただ、勉強になるとそうはいきません。

例えば入試の時期などは、学校もそこまで大々的にアナウンスをしてこないのです。

アナウンスをしたとしても、三者面談などの面談時期くらいでしょうか。

 

それも3年生になった途端に急に入試に合わせてアナウンスが活発になってくるのです。

学校の雰囲気が受験モードになるのは、入試直前になるまで変わりません。

 

しかし、これでは遅すぎるのです。

1・2年生の時期は入試のアナウンスが行われないということは、進路先を考える機会が与えられないということになります。

 

そうなると、3年生になるまで将来の進路を考えずに学校生活を過ごすことになってしまうのです。

そうなれば、1・2年生の時期に一生懸命に勉強しようとは考えないでしょう。

塾に行っていれば、その塾の先生がいろいろとアナウンスをしてくれるでしょうが、そうで

ないなら入試の意識は芽吹かないでしょう。

 

ただ、塾に通っていなくても、また入試のアナウンスがされていなくても、入試のために日々準備する子どもたちがいます。

そういう子たちはなぜ、先を見越して行動できるのでしょうか?

 

それは、親がアナウンスしているからです。

親が早い時期に入試に関する意識を持ち、それを子どもに伝えているならば、子どもは先を見越して行動するようになります。

 

親子で予定を組み立ててみたり、将来の仕事に関して語ったりします。

色々な体験をやらせてみたり、色々なところに連れて行ってあげたり、とにかく色々な経験をさせて考えさせるのです。

 

子どもはそういう地道な行動を経ると、どのように先を見越せばいいのかを理解していきます。

自ら予定が組める子というのは、先を見越して行動することを理解しているというわけなんですね。

 

子どもは先々まで見通すことはありません。

それは経験していないからこそ起こることなんです。

 

であれば、子どもに先々のことを教えてあげて下さい。

しかるべきときにしかるべき行動をとることができれば、遅きに失するという事態を回避することができますから。

 

 

それでは、今日はこの辺で。