できるかぎり本質を教えたい。

私たち塾講師は、何年もの間経験をしていくと、どんどん洗練された指導になっていきます。

逆に講師1年目では、指導がつたないのが普通なんです。

 

私も1年目はひどいものでした。

当時、私に指導を受けていた子には申し訳ないですね。

とはいえ、楽しそうに授業を受けてくれていたので結果オーライでしょうか?

 

講師1年目というのは、よくわからない状態で指導しています。

テキストをあらかじめ解いておき、それを元に指導する・・・

ま、テキスト通りに指導していれば及第点でしょうか。

 

ですが、それでは勉強の本質の部分を指導することはできていません。

テキストに書いてある公式をそのまま教え、なぜそういう公式ができているかを指導していないのです。

 

生徒から「なんでそんな公式になっているの?」と質問を受けても、「そういうもんなんだから覚えなさい」と言うしかないでしょう。

それか「学校で説明してくれるから、ちゃんと聞いててね」と言うのではないでしょうか?

 

そもそも公式がどうできているかは教科書に載っているのですが、それを講師があらかじめ見ていない場合が多いですね。

すべての公式にはその公式なりえた理由があり、そこを指導してあげないと、生徒は丸暗記になってしまい時間が経つと忘れてしまうのです。

 

私は講師歴が約20年ですから、公式の成り立ちまで指導するように心がけています。

「なぜそうなるのか?」

それを必ず説明するようにしているのです。

 

例えば、数学で三角形の内角の和の公式があります。

n角形の内角の和=180°×(nー2)

nの値を公式に代入すれば、内角の和を求めることができるのです。

 

しかし、なぜ(nー2)なのでしょうか?

それが説明できないと意味がないのです。

大事なことは公式を丸暗記することではなく、公式の成り立ちを理解することなのです。

 

生徒には、その部分を具体的に指導します。

むしろ、「公式に頼るな」と教えています。

 

公式は成り立ちさえ理解できれば、自分で生み出すことができるのです。

 

だからこそ、別に公式に頼らずとも、生きた知識で問題を解くことができるのです。

これは、数学に限らず、英語でも他の教科でも同じです。

 

例えば、英語の「比較」という文法があります。

まず、原級・比較級・最上級の変化を覚えておかないといけないのですが、つづりが長い単語に関しては特別なルールがあるのです。

 

中学校のテキストでは、その理由を「つづりが長い」と表記してありますが、本当の理由は「音節の数」なのです。

ちなみに、これを教わるのは高校に行ってからですが、中学生に指導してはいけないわけではありません。

だからこそ、なぜ音節が多くなったら別の変化をするのかを、理由とともに指導しているのです。

 

学校の指導でも英文法について詳しく指導しなくなりました。

英語を話すことがメインとなり、どうしてそうなるのかまで指導しなくなったのです。

しかし、物事にはすべて理由があり、それを指導できないと良い指導とはいえないのです。

 

中学校で本質を理解していくと、高校の勉強に活かすことができます。

しかし、本質を理解しないままでいると、高校での勉強について行けなくなることが多いのです。

 

点数はとれていても本質は理解できていない中学生などは多いですね。

私も生徒を高校生から指導していると、なぜその本質を理解していないのだろう?と疑問に思うことがあります。

 

 

きっと通っていた塾でも、学校でも本質を教わらなかったのでしょうね。

だから、進学校に通っている子でも、中学レベルの問題が解けないのでしょうね。

 

残念ながら、講師歴が浅い講師から指導を受けても、十分な指導は受けられない場合があります。

もちろんその塾が研修制度を充実していれば話は別ですが、いかに研修をしていたとしても経験が浅いのはなんともできませんからね。

 

どんな講師が働いているのか、それを確認してから入塾を決めても遅くはないと思いますよ。

ぜひ、しっかりと塾を調べた上で、納得して入塾してくださいね。

 

 

それでは、今日はこの辺で。