昨日も塾で定期テスト前の中学生が数名勉強をしていました。
その中で、ここ最近毎日のように自習に来ていた子がいました。
その子は休憩もなく勉強しちゃう子です。
よく私が「休憩はこまめに取った方がいいよ」と声をかけてしまうくらいの子なんです。
その子がスラスラ学校ワークの問題を解いているのを見て、私が声をかけました。
「ここまでワークの繰り返しができていれば、高得点、間違いなしだね」と。
すると、その子は「え~不安なんだけど・・・あまりいい結果にならないと思う」と答えました。
その子の最近の頑張りを見ている私としては、そんな答えが返ってくるとは思っていませんでした。
しかし、実際に不安な顔をしていましたね。
実は、そもそもこの子は勉強が嫌いな子なんです。
勉強も嫌々やっている子なんです。
それでも、今までなんとか勉強を続けて、定期テストではいい順位をとっていました。
そして、自分が上位にいるということが、この子にとってのアイデンティティになったのだと思います。
一度、高い順位をとると、人はプライドを持ちます。
その地位を維持したいがために、勉強を続けるのです。
実際、うちの子たちはそういう子が多く、順位を下げないためにテスト前はしっかりと勉強します。
この子もそういう子になっていたんですよね。
だからこそ、今回の頑張りがあったのでしょう。
しかし、頑張れば頑張るだけ不安が増してくるんです。
これは勉強を一生懸命に行った人にしか分からない感覚です。
勉強はすればするほど不安が大きくなってくるんです。
テスト本番でしっかりと答えが書けるかな・・・
ケアレスミスを防ぐことはできるかな・・・
自分が勉強していない問題が出たらどうしよう・・・
このように不安が出てくると、不安解消のためにはさらに勉強を続けます。
テストが終わるまで際限なくやることが出てくるのです。
実はこれが勉強の理想の境地なんです。
本来、勉強とは人に言われてやるものではなく、自分の必要に応じてやるものなんです。
自分の勉強量が一定の量を超えたことによって、勉強をしなきゃという欲が出てきてのでしょうね。
とはいえ、これは保護者の方の努力がなせるものです。
この子の保護者が、子どもに勉強させることを諦めませんでした。
だからこそ、ここまで勉強するようになったんでしょうね。
子どもを変えることができるのは、一番近くにいる親だと思います。
子どもに付き添って、一緒に前に進んでいけば、子どもはいい方向に育ってくれると思いますよ。
それでは、今日はこの辺で。