これって学ぶ必要あるの??

先日、中2生に社会(地理)を指導していました。

内容は「地形図」についてです。

地図記号とか、等高線とか、縮尺とかのアレです。

 

そのとき、その生徒がこんなことを言ってきました。

「先生、これって学ぶ必要あるの?」

 

この生徒は勉強がしたくないから、こんなことを言っているのではありません。

純粋にこの内容を勉強する意味があるのかと疑問に思っているのです。

 

なぜそんな疑問を持つのかというと、この地形図を見る機会なんて日常にはないからです。

世間には素晴らしい「グーグルマップ」などの地図アプリが存在しています。

この生徒はそんなアプリがあるのに、こんな地図を見る必要があるのか?と疑問に思ったのです。

 

私は「確かにそうだな」と感心してしまいました。

中2の理科で習う「天気図」もそうです。

あの「天気図」は新聞の天気予報で見ることはありますが、今では新聞をとっている人自体が少なくなっているわけです。

 

そんな現代の中で、ああいう「地形図」や「天気図」を見る機会はそもそもないのです。

であれば、勉強しなくていいと思うのも当然なのかもしれません。

では、本当に勉強しなくてもいいと思います?

 

いや、そんなことはないんですよ。

「地形図」「天気図」が身近にはなくなったものであっても、その読み取り方は知らなくてはいけないのです。

 

そもそも勉強する内容というのは、日常生活で必ずしも使うものである必要はないのです。

内容が大事なのではなくて、その考え方が大事なのです。

 

例えば、

等高線から山の形が想像できるか、

地図記号からそこはどんな土地利用をされていたのかがわかるか、

地図の縮尺を理解して実際の距離との違いを想像できるようになるとか。

 

そういう一つの地形図から、いろいろな情報を取り出すことのできる能力を伸ばしたいのです。

こういう力は多角的にものを見る能力のことをいいます。

 

道案内で利用するならアプリで十分でしょう。

そのアプリは道案内をするために作られたものですから、それを見たら道に迷わずに目的地に行ければいいのです。

 

しかし、そういう目的が定まったものだけを理解できたからといって、多角的にものを見る能力は培われません。

勉強で習っていることはすべてに意味があるのです。

私もそれを理解した上で指導していかないといけませんね。

 

もちろん、いずれ「地形図」も「天気図」も教科書から消える時代が来るでしょう。

でも、それまでは、どんな知識でもがむしゃらに吸収してほしいものですね。

そして、一つの情報から一つのことしか引き出せないのではなく、一つの情報からいろいろな情報を引き出せる人になってほしいですね。

 

 

それでは、今日はこの辺で。