先日、高2生から化学の質問を受けました。
中学生の質問はすべて答える自信があるのですが、高校生は専門教科以外は即答が難しいんですよね。
化学は高校で勉強していたものの、大学受験では使わなかったため記憶が微妙なんですよね。
本来なら「ごめんな、無理」と答えるところですが、私はそんなことはしません。
とりあえずチャレンジすることにしています。
私は基本的にできないことはないと思っていますので(笑)
教科書を貸してもらって、その質問の中身を精査します。
少し前から読み始め、何の分野なのかを把握します。
高校の化学といえど、基本は中学の理科ですので、教科書を読み進めれば大体のことがわかってくるんです。
読み進めると、中学にもある分野だということがわかりました。
そこから化学の計算式を見ていきます。
ここからは中学の知識と、数学の知識を連動して問題を考えていきます。
基本的な問題は中学の延長ですので、すぐに理解し解説しました。
しかし、応用問題が何度教科書を読んでも理解できませんでした。
ならばと、私はホワイトボードで図にしてその文章に書かれていることを整理していきました。
こうすると、文章からではわからなかったことが見えてきます。
数式が何を表していて、何も求めようとしているのかがわかるようになります。
ちなみに、ここでもう一つ必要な知識があります。
それは、小学生の知識です。
高校の問題だとどうしても専門的に考えてしまいがちですが、実は小学生の知識でも解くことができるんですよ。
その小学生の知識というのは「割合」です。
「割合」を極めているのなら、それだけで高校の内容も理解できるんです。
とはいえ、小学生にはわからない言葉だらけなので、小学生が解けるわけではないですけどね。
こうして高校の専門的な知識がない私でも教科書を読み進めて問題を理解することができました。
それを生徒に解説しておきましたが、生徒は微妙な顔で聞いてましたので完璧には理解でてはいないようでしたね。
このように専門外の教科についても解説までもってこれたわけですが、この理解へのアプローチこそ自学力なんですよね。
ちなみに、私は高校時代にその分野を習ったはずですが、1ミリも記憶にありません。
それでも、とりあえず理解はできるんですよ。
このように、自学力が身についた子というのは、自分で勉強できるようになります。
学校の授業や塾の授業を聞かなくても教科書さえあれば、問題が解けるようになるんです。
もちろんそのためには、いろいろな知識を小学生のときから蓄えていかなきゃいけないですけどね。
これって先生だからできるんでしょう?と思われる方がいるかもしれませんが、この理解へのアプローチは私が小学生くらいから実践していたことです。
つまり、先生という立場だからできるということではなく、誰でもこれができるんです。
しかし、世間の小中高生の多くがこれができません。
なぜかというと、勉強する習慣がないからなんです。
私は小学生のころから家庭学習をするのが日課でしたから、こういうのは自然と身についたんですよね。
そもそも、この自学力は教わったから身につくものでもないんです。
だから、生徒に簡単に伝えられるものでもないんです。
とはいえ、私は生徒にこの自学力を身につけてもらうべく動いています。
それは、生徒にとにかく勉強してもらうことなんです。
私はとにかく勉強量を増やしてもらいたいんですが、それはこの自学力を早めに身につけてもらいたいからなんです。
そして、その自学力が一番身につくのは、この高校入試直前なんです。
高校に合格するためにがむしゃらに勉強させます。
とにかく点数を上げるために勉強するんです。
それを続けていると、いつのまにか教科書やテキストから知識を吸収しようとする動きが出てきます。
勉強方法に工夫を加え、いかに効率よく勉強するかを自然と考えるようになります。
そして、成績が上がり始めると、勉強が楽しくなってきて、ますます理解するスピードが上がってくるんです。
これが身についたころには受験になってしまうと思いますが、この修練を乗り越えた子はそれなりの自学力を身につけたこととなるのです。
ちなみに、生徒が勉強している間、極力私はアドバイスをしません。
アドバイスをしたり、指導したりすれば、それは自学力を衰退させることになるからです。
真の自学力を身につけるためにはもう少し時間が必要かと思います。
ただ、自学力のとっかかりを身につけた子は高校に行ってからの勉強次第で覚醒することができます。
そうすれば、大学受験もうまくいくことができるでしょうね。
最終的なゴールが大学合格とするのであれば、自学力は必須となります。
大学受験も資格試験も授業だけでは受かりませんからね。
何かを成し遂げるためには自学力を必要としますので、早めに自学力を身につけさせましょうね。
それでは、今日はこの辺で。