今日もつくばまで、某教材会社主催のセミナーに参加してきました。
テーマは『学習塾のためのICTを活用した働き方改革と業務改革』についてでした。
ま、要するにAIの力に頼って塾を経営していきましょうということです。
慢性的な人手不足に困っている日本社会ですが、塾業界も同じなんです。
講師の数が少ないために従来のやり方では業務が立ち行かなくなっているのです。
ただでさえ、ブラックなにおいのする塾業界です。
それに人手不足まで加わってしまえば、塾業界の先行きは真っ暗なのです。
ということで、人に頼れないならAIに頼ろうということになっているのです。
先日夜のニュースでもAIを導入した塾の特集をやっていました。
これからの塾の授業もAIが行うようになってくるみたいです。
とはいえ、テレビだけではAIの授業はよくわかりませんでしたね。
今回のセミナーでは実際にAIで授業を行っている方が話をしてくれたので、わかりやすかったです。
では、AIの授業の概要を説明しますね。
AIの授業はタブレットで行います。
生徒がタブレットで表示された授業内容を読んでいきます。
この授業は文章や図表だけしか流れません。
映像授業のように人の映像が流れて授業をするわけではないのです。
人の映像が流れると生徒が緊張したり集中できなくなるみたいです。
授業が終わると、問題パートに移行します。
生徒は授業内容に即した問題を解き始めます。
解き終わったら丸つけが自動的におこなわれます。
ここで面白いのはAIが生徒の様子を観察することです。
例えば、とある問題を解いている子がいたとします。
この子がどれくらいで問題を解けたのかの時間が計測されたり、解説をじっくり読んでいる様子などもAIによって認識されます。
AIが認識した生徒の様子は講師のタブレットに表示され、その生徒の理解度がどの程度なのかを教えてくれるのです。
もし、AIの授業だけで生徒が理解できていないようなら、講師が近づいて授業を行います。
ちなみに、この指示もAIから出されるので、講師はその指示に従うだけです。
このようにほとんどの授業は生徒毎に異なり、生徒の理解度によってペースも変わります。
優秀な子はどんどん先取り学習ができるみたいですし、復習が必要な子は、AIがどこの復習が必要なのかを判断し、戻って復習授業を受けられるみたいです。
塾としても大人数の生徒を同時に見ることができますし、授業がわからない子にだけ説明をすればいいだけなので負担は軽いでしょうね。
ゆくゆくはAIの授業が主流になるのかもしれませんね。
しかし、AIは万能ではないとも言っていました。
実際にAI授業で成績を伸ばしているのは、中上位層の子たちだけだそうです。
成績下位の子たちは成績の上昇がみられなかったそうです。
言われてみれば当たり前のことです。
そもそも下位の子たちは文章や図表を読むだけでは理解できないんです。
そして、理解できない子の多くが「ぼー」と画像を眺めているだけになってしまっているようなのです。
AIは生徒がどのくらい画像を眺めているか計測することはできます。
しかし、その子がどんな意図をもってその画像を凝視しているのかまではわからないのです。
同じ5分眺めていたとしても、理解しようと頭を働かせながら見ているのか、勉強つまらないな~と思いながら見ているフリをしているだけなのかは、AIでは判断できないのです。
ただ、これだけでAIはダメだとはなりません。
これからもAIに色々な事例をインプットし、もっと優秀になれば成績下位の子たちにも対応できるかもしれませんね。
AIというのは、事例を覚えさせることで色々な判断ができるものですからね。
だから、成績下位の子たちのしぐさや心理状況をAIに叩き込めばいいわけです。
この作業が進めばさらにAIの真価は発揮されることでしょう。
塾業界はAIに仕事が奪われる予想には入ってなかったんですけどね。
しかし、実際にAIが塾で導入されているのをみると、近い将来、塾はAIによって仕事が奪われることになるのかもしれませんね。
これからもICT技術の進化についての情報は注視していこうと思います。
それでは、今日はこの辺で。