漢字ができる子は、言葉の意味を知ることができる。

先日、とある中1生に質問をしました。

「”けんぎょうのうか”って知ってる?」と・・・

 

その子は「え~わかんない」と答えました。

私が「あ~知らないか~」と返事をしたら、その子からこんなことを言われました。

「漢字だとどう書くの?」

 

私はすぐにホワイトボードに”兼業農家”と書き込みました。

すると、その子は「あ~、2つの仕事をする農家の人ね」と答えてくれました。

 

なぜ、私がこの質問をしたかというと、とある中3生がこの”兼業農家”の意味を知らなかったからです。

中3生が知らない言葉を中1は知っているのかなと思い、この中1生に質問をしたんです。

 

ちなみに、この言葉自体は小学校でも習いますし、中学校でも2年生で習います。

本当は、中3生の子が知らないのがマズいんです。

受験間近なわけですから、こういう社会の用語は覚えていなくてはいけません。

 

話が逸れましたね。

実はここに勉強の大事なポイントがあるんです。

言葉というのは、その音だけで覚えることはできません。

 

実際に”けんぎょうのうか”という音だけではこの中1生はわからなかったわけです。

しかし、漢字で表してみると、すぐに意味を思い出してくれました。

つまり、音では意味まで想定するのは難しく、漢字なら意味を考えることができるということなんです。

 

私は常日頃から生徒に漢字で表記するように声掛けをします。

それは、漢字で覚えるからこそ、意味まで覚えることができるからです。

しかし、漢字を重んじていない子は、平気でひらがなで用語を覚えようとします。

 

このように漢字を重んじることができないのは、漢字には意味があるのだと知らないからなんです。

これは小学校での勉強が起因しています。

小学校時代に国語の授業で、漢字の成り立ちや音読み・訓読みなどを教わるのですが、それをしっかりと覚えている子が少ないんです。

 

ここから、現代の子がいかに小学校時代に勉強していないのかがわかります。

小学校時代に遊んでばかりで勉強をろくにしなかった子は、中学生になっても高校生になっても大人になっても、漢字の重要性に自然と気づくことはできないと思います。

 

漢字の重要性を知らない子が社会の用語や理科の用語を覚えようとするのは至難の業です。

例えば、公民の用語の「男女参画社会基本法」などは、男女や社会の意味が分かったとしても、参画の意味までわからないと、用語の意味をとらえることが難しいでしょう。

 

ちなみに、参画といのは事業や政策などに計画段階から参加することを意味します。

参加の”参”と、計画の”画”が組み合わさって意味が成り立っているんですね。

 

一方でこれを音だけで判断するのはどうでしょう。

音なら「だんじょきょうどうさんかくしゃかいきほんほう」となります。

これを聞いて意味がわかるのでしょうか?

 

上記の例は一例にしかなりませんが、これはまだ簡単な漢字からできているので問題はないでしょう。

しかし、もう少し難しい漢字で書かれている用語だったら、途端に意味がわからなくなるでしょうね。

 

ちなみに、上記の中1生は小学生のころから読書好きで、いまだもって読書が大好きな子なんです。

お母さんからしっかりと教育されているからこそ、漢字の大事さを知っているんでしょうね。

兼業農家の”兼”という字が、「兼ねる」という訓読みをすることも知っていた子なので。

 

漢字は大事ですよ~。本当に大事だと思います。

もし、小学生のお子さんがいるのなら、今からでも漢字をしっかりと叩き込んでくださいね。

 

これは家でできる教育の一つだと思います。

家で漢字練習をしたり、漢字の意味を知っているかクイズにしたり、家でできることはたくさんありますからね。

後で悔やむことがないように、今からできることをしておきましょう。

 

 

それでは、今日はこの辺で。