”完璧”を目指さない子どもたち。

先日、高3生の授業をしていて、文法のチェックをしていました。

ちなみに、高3生は今月いっぱいで塾卒業で、後は大学入試本番に臨むだけです。

 

私が宿題の丸つけをしてあげていたら、どんどん丸がついていきました。

そんなにできのいい子ではないので、私は「やるじゃん」と言いながら丸をつけていたのですが、その子が「わたし、天才じゃん」と言ってきました。

 

「うん?」私は頭の中で首をかしげました。

なぜなら、いくら丸がついていたところで、全体で70%程度しか丸がつかなかったのです。

その状況で「天才?」と疑問を持ちましたが、私は苦笑いだけしておきました。

 

本来、大学入試直前ならば文法はほぼ完璧になっていないといけません。

しかし、この時期に来てまだ7割の出来なのです。

この子の勉強量はまあまあなのですが、それにしても出来が微妙です。

 

基本的に人間というのは練習で100%にしていたとしても、本番で70~80%くらいまでしか実力を発揮できません。

もしこの子が70%までしか完成していなかったら、本番ではせいぜい56%までしか実力が出ないのです。

 

そうなると単純計算で56点しかとれないことになります。

英語に限ったことにはなりますが、56点ではどの大学にも受からないでしょう。

なので、この子には間違ったところのやり直しを命じておきましたけどね。

 

本番で最高の成績を出したいのであれば、練習段階で100%、つまり満点を目指さないといけないのです。

普段の勉強で満点がとれないものは、本番で高得点をとることは難しいでしょう。

 

そして、本番で100点をとりたいのであれば、120%まで仕上げておかないといけません。

この120%の20%分というのは、ある意味、豆知識です。

英文法であれば、文法書に書いてあるコラムにまで目を通し、その知識すら頭に叩き込むのです。

 

この20%分の勉強できる人というのは、勉強に対する意識が高いです。

探求心があるからこそ、100%で満足せず、さらに上の知識を得ようとするのです。

自分をさらに高めたいと思わなければ、絶対に身につくことはないでしょうね。

 

とある中3生はこの姿勢が全くありません。

高得点がとれるからと高をくくり、ある程度で勉強を終えてしまうのです。

具体的に言えば、90%程度で勉強を終了してしまうのです。

 

練習で100%になっていないのですから、どこかに抜けがあるはずです。

ということは、100点がとれるはずがないんですね。

この子は高得点はたたき出すものの、100点がほとんどとれないのです。

 

勉強は満点を目指すべき。

これはテストの点数を高める上で大事なことです。

穴があれば、それだけテストの点数は安定的にとれなくなります。

 

もちろん高校入試や大学入試本番で、満点をとる必要はありません。

むしろ、本番では満点を狙うのは論外です。

変に力が入ってしまい、かえって実力が出せなくなりますから。

 

私が言っているのは、あくまでも練習段階、つまり受験勉強の段階の話です。

この段階では常に満点を狙っていかないといけないのです。

満点をとるまで勉強を続ける・・・そのくらいの気持ちで勉強してほしいですね。

 

 

それでは、今日はこの辺で。