過保護は止めた。

塾として生徒に対して過保護であることは子どもの成長を止めてしまいます。

塾としての過保護とは、生徒の成績を上げるために手をかけるだけかけてあげることです。

 

たとえば、定期テスト前に予想問題を作成してそれをやらせたり、過去問をコピーしてそれをやらせたりすることです。

生徒たちはどんな問題が出るのかを事前に知ることができるので、簡単に点数を伸ばすことができてしまいます。

 

他には、塾の業者テストをやらせる前に、どんな問題が出るのかを生徒に伝えてしまうことです。

問題をそのまま教えるわけではなく、その問題がどこの分野から出ているのかを教えるのです。

生徒は、その分野を事前に勉強しておけば、本番でいい点をとってしまうのです。

 

私たち塾講師の間では、そのやり方をドーピングと呼んでいます。

生徒の実力以上の点数をとらせるために、問題を事前に教えてしまうのです。

これは運動選手のドーピングと同じことで、薬のようなものに頼っていることと同じになります。

 

しかし、実際のドーピングでもそうですが、そんなことをして得た名誉は本当に価値があるんでしょうか。

点数が上がることは喜ばしいことですが、それを生徒の実力が上がったなどと考えることはできません。

 

過保護に接するというのは、こういうことをやってしまうということです。

生徒の点数が上がれば、それはその塾の実力として評価されることでしょう。

ただ、それは真っ当なやり方をした場合のみ真の評価がなされるべきなのです。

 

私も昔は簡単にテストの点数を上げようと考えていたので、対策プリントを作ったり過去問のコピーをやらせていたりしました。

このやり方は即効性があるので、すぐに生徒の成績は上がるのですが、残念ながらそれは生徒の実力ではなかったんです。

 

実力テストでは生徒の本当の実力が出てきてしまうので、こんな小手先のやり方ではびくともしませんでしたね。

そもそも実力テストの点数が上がらなければ、つまり生徒の本当の実力が高まらないかぎり、高校には合格できないのです。

 

真の実力を上げるためには、とにかく勉強量を増やすしかないんです。

トライアンドエラーを繰り返して、自分の勉強方法を確立していくしかないんです。

自分の頭に染み込むように知識を植え付けなくては、知能が上がったとは言えないんです。

 

うちの塾は生徒に一定量の勉強をやらせます。

そして、その勉強の中で生徒自身の手で成績を上げていってほしいのです。

私のような外部の人間はあくまでも手伝いしかできないのですから。

 

もちろん、生徒が間違った勉強法をしていれば、正しい道に修正していきます。

生徒が悩んでいれば、相談に乗りアドバイスを行います。

しかし、こちらから手を差し伸べるのは最低限のことだけにとどめます。

 

生徒が自分で成績を上げられるようになったとき、その子は自立して成長することができるようになるでしょう。

それがうまくいけば、高校入試はもちろん、大学入試も成功することになるでしょう。

 

 

それでは、今日はこの辺で。