最近のニュースでOECDが発表したことが話題になっています。
それは、日本の読解力が8位から15位に下がったことです。
昨日の『ワイドナショー』というテレビ番組でも紹介されていたくらいなので、ご存知の方は多いのではないでしょうか。
ちなみに、昨日の番組内で出された問題は解けましたか?
まさかあの金八先生が間違えるなんて!とびっくりしてしまいましたけどね(笑)
子どもの読解力がないのは、このブログでも何度も書いてきました。
正直私も読解力があるとは自信を持って言えない方ですが、それでも今の子どもたちの読解力はひどいことがよくわかります。
読解力がないということは、問題文の意味をとらえることができないということです。
問題文の意味がわからなければ、正解を出すことはできませんよね。
正解が出されなければ点数が上がることもありませんので、努力しても点数が伸びないなんてことになりかねません。
ということで、土曜日の理社の集団授業で、中3生にとある実験をしてみました。
それは、「問題文の長さがもたらす影響」というものです。
三つの問題を用意します。
問題A 「図Ⅰに示された関係からなる国会と内閣のしくみを何というか。」
※問題文の右には図Ⅰが載っています。
問題B 「内閣が国会の信任にもとづいて成立し、行政権の行使について、国会に対して連帯して責任を負うしくみを何というか。」
※問題文のみ載っています。
問題C 「資料Ⅰのように国民の意思を代表する国会の信任にもとづいて内閣がつくられ、内閣が国会に対して連帯して責任を負う制度を何というか。」
※問題文の右には資料Ⅰが載っています。
ちなみに、すべて問題の答えは「議院内閣制」です。
これを読んでもらって、問題としてはどれが良いのかを生徒に選ばせました。
この良いかどうかというのは、問題としての質はどれがいいかということです。
ま、生徒にはちょっとわかりづらい質問になってしまったのかもしれませんけどね。
生徒たちが選んだのは、Aの問題でした。
Bの問題を選んだ子もしましたけどね。
でも、この中で問題の質が一番高いのは、そして一番解きやすいのは問題Cなんです。
一つ一つの問題の特徴を説明すると、
Aの問題・・・図だけで問いている
Bの問題・・・文章だけで問いている
Cの問題・・・図と文章で問いている
となります。
つまり、A・Bの問題は一つの問い方しかしていないのに、対してCの問題は二つの問い方をしています。
ということは、出題者が一番生徒に解いてもらいたいのはCの問題なんです。
出題者が生徒に答えてもらいたいと考えて問題を作った場合、丁寧に問題を作成しようとします。
文章だけでは足りないと考え、図を使っても質問してきているわけです。
しかし、生徒側は情報がたくさんあふれているのに、それを利用しきれないんですね。
良問題というのは、丁寧な聞き方をしているものです。
文章は細かいことまで書かれるようになるので、長くなります。
図や表も詳しい情報を載せようと考えるので、細かくなるのです。
ただ、読解力がない生徒というのは、読むことを面倒くさがります。
問題作成者が問題を解いてほしいという気持ちも、生徒には伝わらないのです。
逆に考えれば、問題文が長いことを利用しつくせば、容易に答えにたどり着けることになります。
長い問題は確かに読むのが辛いです。
しかし、丁寧に読み込みさえすれば、正答を出すことはできるのです。
長い問題からは逃げないようにしてくださいね。
じっくり読むことで正解を出すことができますから。
読解力が低いからといって、長い文章から逃げ出さないようにしましょう。
それでは、今日はこの辺で。