許されるのであれば、遠回りしたっていいと思う。

高3生に、「今やりたいことが将来の仕事になっているかはわからないよ」とよく話をします。

大学在学中にやりたいことが変わる場合もありますし、その大学で取得した資格を使わない職業に就くことになるかもしれません。

 

所詮、学生のころに目指していたことなんて、現実を知らない子どもの夢です。

その仕事の現実がひどいものなら、幻滅して進路を変えるなんてざらにあるのです。

 

現実を知ってなお、今まで貫き通した夢を目指す子だけが、子どもの頃の夢を成し遂げることができるのでしょう。

そのためには強い精神力が必要なんです。

 

少し前に、大学生の教え子が遊びに来て、ある話をしてくれました。

その子が通っているのは看護学科です。

つまり、看護士になるために行く大学に通っているのです。

 

 

その子の話では、そこの学科に通う子はみんな看護士を目指すはずなのに、別の道に進もうとしている同級生がいるとのことなんです。

その別の道とは、「農業」です。

看護士とは真逆な職業といってもいいんじゃないでしょうか。

 

その同級生は「農業」の魅力に取りつかれて「農業」の道に進むために大学を辞めようとしたらしいんです。

そして、ある時期、本当に大学には顔を出さなくなったそうです。

まぁ結局は戻ってきて、今は大学に通っているとのことでしたけどね。

 

とはいえ、看護士になろうとしている子が、そのために大学受験を突破した子が、在学中に新しい道を目指しかかったのです。

その子は思いとどまったとのことですが、在学中に新しい道を見つけてしまうなんて、よくあることなんです。

 

仮に大学に通って資格をとったところで、その資格を活かした職業に就かない人だっているんです。

他にも、夢を追いかけ続けた結果、何度も失敗して、最終的に挫折してしまった子もいます。

 

大学にせっかく受かっても途中で辞めてしまった子もいます。

警察官の試験に合格して、警察学校にまで通ったのに、途中で退学してしまった子もいました。

教え子の中には残念ながら最初に目指した道から外れてしまっている子がいるんです。

 

その子たちにもいろいろな事情はあったのでしょうが、そこで終わりではないんですよね。

今は違う道を見つけなおして、元気に頑張ってくれていると思います。

 

私は遠回りしたっていいんだと思います。

最終的に降り立った場所が自分の居心地のいい場所になれば。

 

このように語っている私も子どものころの夢は「サラリーマン」でしたし、中学生くらいから学校の先生に変わりました。

しかし、大学ではその夢がかなわず、卒業後に塾の世界に入っていったんです。

 

しかも最初はアルバイトからでした。

大学をせっかく卒業したのに、最初は定職もつかないアルバイターだったんです。

教えること自体は好きだったので、この職業は楽しくて仕方ないですけどね。

 

紆余曲折があって、私は今でも塾講師をやっているのです。

反省は多いですが、現状に不満はありません。

だって、今が幸せならそれでいいじゃないですか。

 

とはいえ、夢を真摯に追いかける方がかっこいいですし、あこがれちゃいますけどね。

今明確な夢がある人は、しっかりと目指してくださいよ。

あがいてあがいて頑張れば、きっと夢への道がつながっていきますからね。

 

 

それでは、今日はこの辺で。