最近の子は「誰かに負けてくやしい」と思うこと自体がなくなってきています。
基本的には「自分」のために頑張る子が増えてきましたね。
それはそれでいいことなのですが、それって自分のやりたいことが決まらないと頑張らないということになってしまいます。
以前の風潮では、自分の周りにライバルがいてお互いに切磋琢磨をして成長していこうとするのが当たり前でした。
しかし、最近のマンガやアニメなどで取り上げられるのは、ライバル自体がいない世界観をもったものばかりです。
たとえば、「ドラゴンボール」は不朽の名作ですが、作品内にしっかりとライバルが存在していました。
主人公の孫悟空はそのライバルを破るために修行して強くなっていきます。
そして、苦労の末、そのライバルに打ち勝ち、そのライバル達と友情を深めていくのです。
今でも「ドラゴンボール」は人気の作品ですが、最近のシリーズでは修行のシーンはほとんど描かれなくなっているそうです。
なぜなら、今時の子は修行シーンを見せられても何でそんなに頑張れるのかが理解できないからです。
昔のようなスポ根みたいな熱血という感じはすでに形骸化してしまっているようですね。
私のような中年にはわからない感覚が、子どもの中には育っているようです。
しかし、そんな中でもライバルを見つけて頑張っている子はいるんですよね。
その生徒はライバルの子が何をやっているかを毎回気にしています。
そして、その子にテストの点数を負けると悔しがるのです。
今も昔も入試は戦争です。
勝つもの=合格者がいれば、負けるもの=不合格者がいるんです。
負けたくなければ、相手を蹴落としてでも勝ち抜かなくてはいけません。
しかし、中3や高3になっていきなり、入試は戦争なんだから周りの子に負けてはダメだよと伝えてもピンと来ません。
なぜなら、今までそんな考え方をしてこなかったからです。
本来なら、普段からライバルを見つけそれに勝ったり負けたりしていくことで、人の競争心って身に着くんですけどね。
早い段階でそういう経験がないと、なかなか競争に打ち勝とうとは思わないでしょうね。
ライバルを見つけて、それに勝とうとする。そのために努力する。
これも、モチベーションを上げる方法の一つなんだと思います。
あまりにもライバルだけを意識しても仕方のないことですが、目標とする相手を見つけてそれを追い抜こうとするのは立派な行いだと思います。
それでは、今日はこの辺で。