生徒の潜在能力を見抜いてみる。

「やればできる」この言葉は有名ですね。

基本的にすべての子に使える言葉ですが、生徒それぞれで程度が異なります。

この程度の違いは、その生徒の潜在能力の違いなのです。

 

潜在能力が高い子は、勉強をやったらやっただけ成績が伸びていきます。

一方で、潜在能力が低い子は、勉強をやってもなかなか伸びてきません。

 

生徒を指導して大体1か月くらいで、その子の潜在能力を見抜くことができます。

ある二人の小学生で例をとってみましょう。

 

生徒Aは、算数の文章問題を解いているときに、そのシチュエーションをよく考えます。

問題文を読んで、「こんなことありえないよ~」と現実と比較して感想を述べています。

 

想像力が豊かなんでしょうね。

算数の問題なのに、ただ問題を解くわけではなく、そのシチュエーションを想像しているわけです。

 

こういう子は、何事も想像しながら勉強していけるので、知識の吸収力は半端ないです。

とはいえ、あまり勉強にやる気がある子ではないので、今の成績は中くらいでしょうか。

ただ、潜在能力はかなり高いといえるでしょう。足りないのはやる気だけです。

 

生徒Bは算数の文章問題を読んで、すぐに式を組み立て始めます。

わかりやすい文章ならすぐに式を組み立てられるのですが、少しひねった問題になると途端に式が組み立てられなくなります。

 

私は「想像して考えてごらん、これはこういうことを説明しているんだよ」とアドバイスをしますが、なかなか想像ができません。

少し時間をおいて、私が正解の式を見せてあげるのですが、「わかった・・・」と空返事をするだけです。

 

とはいえ、この子はまじめな子なので、今の成績は上位です。

コツコツと計算問題をやる子なので、ほとんど計算ミスがありません。

でも、潜在能力でいったら、少し低めになってしまうでしょうか。

 

生徒Aの子も生徒Bの子も本を読むのがとても好きな子です。

文章問題の読解力はどちらもあるのです。

ただ、工夫して考えられるか考えられないかの違いなのです。

 

潜在能力というのは想像力なんだと思います。

勉強の用語を単に文や言葉で考えるのではなく、その場面を想像して理解していくのです。

これが自然にできる子は潜在能力が高いと言わざるをえません。

 

「想像しながら勉強しなさい。」

口で言うのは簡単ですが、大半の子はその想像自体ができないのです。

ということは、自然と想像できる子というのは一種の特殊能力を持っていることになるのでしょう。

 

去年の生徒で抜群の潜在能力を持っていた子がいます。

大半の生徒が一回の説明で理解できない項目を、この子は一回の説明で理解してしまうのです。

その能力はすべての教科に影響を与え、特に英語は一年で「苦手」から「得意」まで伸ばすことができました。

 

では、潜在能力が低かったらあきらめなくていかないのかといったら、そうではありません。

潜在能力が高いことに越したことはないですが、低いなら低いなりに勉強量を増やせばいいのです。

 

潜在能力が低い子は、地道に努力する能力を持っている子が多いです。

多分、自分が今まで生きてきた経験上、努力しないとわかるようにならないと知っているのでしょう。

 

結局、童話の「うさぎとかめ」ということですね。

潜在能力が高い子は短期間で成績が伸ばしやすいが、持続力がない。

潜在能力が低い子は成績を伸ばすのに時間がかかるが、持続力がある。

 

自分の子どもを見るときは、自分の子は「うさぎ型」なのか「かめ型」なのかを見抜くといいと思います。

うさぎ型なら成績が上がっても油断はしてはいけませんし、かめ型なら成績が上がるのは待ってあげなくてはいけません。

 

一度冷静になって、自分の子を見てみるといいですね。

どちらにも長所短所はありますので、それを理解した上で子どもと接してあげるといいのではないでしょうか。

 

 

それでは、今日はこの辺で。