数学の落とし穴はこんなところにある。

当塾では、単元が終わるごとに確認テストを実施しています。

この確認テストを実施することによって、生徒のいろいろな問題点が浮き彫りになってきますね。

 

特に数学においては、計算のルールがしっかりと身についているかを確認することができます。確認テストで間違えれば、生徒がミスしやすいところがわかり、的確に指摘してあげることができます。

 

もし確認テストをしなければ、生徒の致命的なミスに気づくのが定期テストになってしまい、定期テストの点数が悲惨なものになってしまいます。

だからこそ、こまめに確認テストをやって、生徒のミスにすぐに気づかなくてはならないのです。

 

先日、とある中2に確認テストをやったのですが、まさかの0点をとったのです。

この生徒は数学が苦手なわけではありません。宿題はすらすら解いてきましたし、授業中に確認しても特に問題はないのです。

 

しかし、まさかの0点。よくよくそのテストの計算途中を見てみると、その生徒は途中計算の過程で答えが出ているのにも関わらず、その先の計算までしてしまったのです。

 

結局、計算のルールがわかっていないのではなく、数学の意義というか計算の持つ本来の意味を理解していなかったことになります。

計算の持つ本来の意味というのは、足し算やかけ算は本来なんのためにやっているのかを理解していないということです。

 

本来の意味を理解していないと、計算のルールを無数に覚えていかなくてはならないことになります。しかし、本来の意味を理解していれば、計算のルール自体はその応用で理解することができるのです。

 

このままでは少々わかりづらいですね。

例えば、「式を展開する」と「因数分解」の意味を挙げてみます。

展開とは乗法公式などを駆使して、かけ算を行うことで、カッコをはずすことを意味します。つまり、答えはカッコがない状態で現れてきます。

 

一方で因数分解はバラバラの項をまとめていくということを指します。

となれば、答えはカッコがついた状態で現れてくるのです。

 

これはとある高1生を指導しているときに気づいたことですが、

その生徒は因数分解の本来の意味を理解していなかったのです。

せっかくカッコがついた状態まで、つまり答えまで計算していったのに、その後、その答えのカッコをはずそうとしたのです。

 

間髪いれずに「カッコをはずのは展開していることなんだよ」と指摘しましたが、その生徒の顔には?マークがついていました。その後、詳しく説明してなんとか理解してもらいましたが、本来の計算の意味がわかっていないというのはこんなに怖いことなのかと改めて知らされました。

 

計算のルールを覚えるときには何でこんな計算になるんだろうと疑問を持ちながら、しっかりとルールを理解していかなくてはなりません。

ただ単に覚えるだけなら、とにかく練習すればいいのですが、本来の意味を理解するとなると、いくら練習したとしても結局理解には至りません。

 

勉強においては何事も疑問を持つことが大事になります。

些細なことまで疑問に持ち、その疑問を一つひとつ解消しながら勉強をしていってくださいね。

 

 

それでは、今日はこの辺で。